こちらはビートルズファンの間で伝説となっている、
アルバム 『The Beatles』のUS盤だけに存在した、
そのあまりの大迫力さと大爆音で
ジョージを激怒させたという
幻のマトリックス『A-28』を収録した
CD2枚セットです。


『アナログミステリーツアー』でお馴染みの通り、
John Lennon, Paul McCartney,
George Harrison,そして Ringo Starrらが
イギリスで完成させたアルバム。

そのテープを各国用にコピーし、
それを基にそれぞれの国でミックスし、
レコードを制作する、という流れのため、
たとえばイギリス盤と日本盤とでは
音の傾向が異なります。
このホワイトアルバムにおいて、
その極端な例がUS盤。

The Beach Boysなども手がける、アメリカの
キャピタルレコードが制作したミックスは、
リリース直前、偶然渡米していた
ジョージが試聴したところ、そのサウンドに激怒、
即座にやり直しを命じました。
(当時のファンクラブ誌にも
この一件は掲載されたそう)

その後、アメリカに流通したオリジナル盤は
なんとか納得のいく
穏当なサウンドに仕上がったようですが、
そのやり直しがあまりにリリース直前だったため、
発売当初にごくわずかな枚数だけ、
ジョージが試聴した、
このマトリックス『A-28』を使用したレコードが
流通してしまうことに。


現在はその稀少さから
80万円近い価格で取引されている
この『A-28』ミックス盤ですが、
そのサウンドは現在CDなどで聴ける
ホワイトアルバムとは完全に一線を画しています。
『With The Beatles』や 『Rubber Soul』の
UKオリジナルにいわゆる『ラウドカット』と
呼ばれる爆音盤が存在しますが、
こちらはその傾向、というよりさらに凶悪な音。

特にポールのベースと後半のリンゴのドラムが
複雑に絡む『Dear Prudence』での
ベースとドラムの爆音さは、
「ジョージが激怒するのも無理はないな」と
思ってしまう一方、
ポールのベース、ポールとリンゴのドラムなど、
全力の爆音で浴びたい方にはこれ以上ないほど
オススメできる最高のミックスです。

二次市場に出ることはない貴重なCDですので、
ぜひこの機会にお手に取って頂けますと幸いです。

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